小国のゆめ

小国のゆめ、それは、私たちのゆめ

私たちのゆめは、障がいをもつ人たちが、
地域社会のなかで自立して生きていくこと。
そのゆめをかなえるため、大豆を育て、豆腐をつくっています。

原料の大豆は「すずかれん」。かれんで小さな実が
すずなりに実るようにという願いが込められた新品種です。
私たちは、熊本県産すずかれん100%の、
世界にひとつしかない豆腐をつくることにしました。
そして、その豆腐に「小国のゆめ」と名づけました。

私たちは、農業と福祉、障がい者と地域、
大豆の生産者と豆腐の消費者、伝統と未来をつなぎながら、
大豆を育て、豆腐をつくり、自立への道を歩んでいきます。

「小国のゆめ」、それは、私たちのゆめなのです。

社会福祉法人 小国町社会福祉協議会 サポートセンター悠愛
大豆工房 小国のゆめ

世界でたったひとつの豆腐 みんな小国にあったもの。そのつながりから小国のゆめは生まれました。

私たちは障がいをもつ人たちが、大豆を栽培し、豆腐を製造することを通して、その能力や個性を輝かせ、仲間や地域、さらに大豆の生産者や豆腐の消費者とつながり、地域社会のなかで自立して生きることをめざしています。

小国には豊かな農業技術が残っています。私たちはその知恵と技術を学んで、豆腐の原料となる大豆を自ら作付するとともに、経験豊かな高齢者の知恵と力を借りて、少しずつ、確実に、小国産の大豆を増やしていきます。

中尾集落では、おぐに黒大豆という在来大豆が栽培されてきました。標高700mの地で、いまはたったひとりの生産者が守り続けています。私たちは、世界でひとつだけの貴重な遺伝資源を譲り受け、未来に伝えていきます。

食料生産の場である農地は、長い歳月をかけて切り開かれ、大切に守り継がれてきました。私たちは、自ら農業の担い手になることによって、遊休農地に鍬を入れ、ふたたび実りをもたらす農地によみがえらせます。

私たちは障がいをもつ人たちが、大豆を栽培し、豆腐を製造することを通して、その能力や個性を輝かせ、仲間や地域、さらに大豆の生産者や豆腐の消費者とつながり、地域社会のなかで自立して生きることをめざしています。

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原料は「すずかれん」。熊本うまれ、熊本そだちの大豆です

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 小国のゆめの原料、すずかれんは、熊本県合志市にある九州沖縄農業研究センターで開発された新品種。かれんで小さな実がすずなりに実るようにという願いを込めて、すずかれんと命名されました。

 そのすずかれんを、全国の都道府県で唯一、熊本県が認定品種に採用したことを受け、山鹿市鹿本町が先駆的に生産に取り組んできました。
「小国のゆめ」は、こうして生産される熊本県産すずかれん100%を原料につくられる世界でたったひとつの豆腐です。

 私たちは、小国の大地ですずかれんの栽培に挑戦し、少しずつ、確実に、小国産すずかれんを増やしていきます。いつの日か、小国産すずかれん100%の豆腐ができることをめざして。

小国のゆめができるまで

豆腐ができるまで

  1. 浸漬

    1.浸漬(しんせき)

    原料の大豆から割れた豆などを取り除き、土やほこりを洗い流した後、水に浸けます

  2. 磨砕

    2.磨砕(まさい)

    水を含んでやわらかくなった大豆をグラインダーに入れ、水を加えながら砕いて、呉をつくります

  3. 釜煮

    3.釜煮(かまに)

    大豆たんぱくを凝固しやすくするため、呉をボイラーに送り、およそ90度の蒸気で加熱します

  4. 絞り

    4.絞り(しぼり)

    加熱した呉を絞り、豆乳とおからに分離します。このうちの豆乳を使って、豆腐をつくります

  5. 凝固

    5.凝固(ぎょうこ)

    豆乳ににがりを入れて、全体をすばやく、かつまんべなくかき回し、豆乳を凝固させます

  6. 型入れ

    6.型入れ(かたいれ)

    穴の空いた型箱にガーゼを敷き、豆乳を流し込みます。1つの型箱で30個の豆腐ができます

  7. 圧搾

    7.圧搾(あっさく)

    型箱に入れた豆乳をガーゼで包んで蓋をし、上から圧力をかけて水を抜き、成形します

  8. 型出し

    8.型出し(かただし)

    型箱ごと水槽に運び、水槽の中で上下をひっくり返し、型箱とガーゼをはがします

  9. 切り分け

    9.切り分け

    水槽に入れたまま、型箱の蓋の上に豆腐を乗せ、縦横に包丁を入れて、30個に切り分けます

  10. 水さらし

    10.水さらし

    豆腐を水槽に入れたまま水にさらし、製品を冷やすと同時に、余分なにがりやあくを抜きます

  11. 包装

    11.包装

    豆腐を1丁ずつ容器に入れた後、容器を水で満たし、容器にフィルムを貼って包装します

  12. 冷却

    12.冷却

    容器に入れた豆腐を芯まで冷やして、日持ちをよくするため、水槽に浸けておきます

油揚げができるまで

  1. 下地をつくる

    1.下地をつくる

    豆腐とは異なる方法で、油揚げの下地をつくります。非常に水分が少なく、固い下地ができます

  2. 切る

    2.切る

    完成した四角い下地ひとつひとつの対角線上に包丁を入れ、三角形に切って成形します

  3. 低温で揚げる

    3.低温で揚げる

    およそ110度に熱した低温の油で7~8分かけて揚げ、下地を倍以上にふくらませます

  4. 高温で揚げる

    4.高温で揚げる

    次に、およそ180度の油で7~8分かけて二度揚げし、表面をかりっと仕上げます

小国のゆめ商品紹介

  • 小国のゆめ やわらかめ(絹ごし豆腐)

    小国のゆめ やわらかめ(絹ごし豆腐)

    いわゆる「きぬ豆腐」です。すずかれんのやさしい甘さを、なめらかな口あたりと、つるんとした喉ごしでお楽しみいただけます。

  • 小国のゆめ かため(木綿豆腐)

    小国のゆめ かため(木綿豆腐)

    いわゆる「もめん豆腐」です。小国のゆめの「かため」は、さわやかな大豆の香りと甘みが融合した、濃厚で豊かな風味をつくりあげています。

  • 小国のゆめ 厚揚げ

    小国のゆめ 厚揚げ

    木綿豆腐を半分に切り、180~200度の高温の油で、中はふわっとやわらかい豆腐のまま、表面はからっと香ばしいきつね色に揚げました。

  • 小国のゆめ 油揚げ

    小国のゆめ 油揚げ

    小国町を含む熊本県の油揚げは、とても大きく、ボリュームのある三角形。特に煮しめには欠かせない食材として、小国の食文化を彩っています。

生産者プロフィール

農業と福祉を豆腐で結ぶ 豆腐職人 宮嵜 修

 配達する先々で、「修(オサム)ちゃん」と声をかけられる。地域に根ざし、地域に愛される豆腐屋を営んでいた。
その人柄と技術を乞われ、まったく経験のない障がい者福祉の世界に飛び込んだ。

 それまでは、豆腐の製造から配達、事務までを、たったひとりでこなしてきた。新しくできる大豆工房 小国のゆめは最大13人の大所帯。唯一の経験者として、小国に伝承されてきた豆腐づくりを指導する。

「おいしい豆腐をつくる仲間として、これまで培った技術を伝えていきたいと思います」

 農業と福祉を結ぶ小国町で初めての「農福連携」として誕生した大豆工房 小国のゆめでは、大豆の栽培までを手がける。
大豆ひとつぶに魂を注ぎ、1丁ずつ心を込めてつくり続けてきた。これからは種まきから収穫まで大豆の一生を見守り、新しい豆腐づくりに挑む。

「原料から育てたんですと言える日が来たとき、豆腐に対する愛情がますますふくらみそうな気がします」

 豆腐づくりに賭けた職人の熱意は、さらなる進化をめざす。

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天空の畑で守り続けた奇跡の大豆 農家 財津 ミズ子

 やがて九州一の大河、筑後川となる小さな支流に沿う標高700mの天空の地。その南向きの斜面に、住宅と農地とが美しく配された中尾集落がある。
 おぐに黒大豆は、古くからこの集落だけで栽培されてきた、黒く、小さな在来大豆。「熊本の名水100選」ばかりか「九州の名水100選」にも指定されている熱田神社に湧きだす温水に浸け、大豆もやしを生産するために栽培されてきた。
 たったひとりの生産者となった財津ミズ子さんは、労苦をいとわず、報いも求めず、ただ家族や親族、友人たちと分かち合うことだけを自らの喜びとし、黒大豆の栽培ともやしの生産を続けてきた。
「私は(作物を)つくることが好きだし、ご先祖さんから受け継いだ大切な大豆を絶やしてはならないという思いで、(黒大豆を)つくり続けてきたんです」
 もし大豆の神様がいるとしたら、その無垢な魂と無償の愛によって、この人を伝承者に選んだにちがいない。
 この在来大豆は、栽培種としては珍しく、花芽が分化した後も生育が続く「無限伸育性」という特徴をもつことがわかった。耐寒性や病害虫耐性、機能性成分の含有にすぐれている可能性もある。
 2016年3月、おぐに黒大豆は、世界農業遺産阿蘇の「伝えたい阿蘇の農業遺産資源」に登録された。

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お問い合わせ

社会福祉法人 小国町社会福祉協議会 サポートセンター悠愛大豆工房 小国のゆめ

熊本県阿蘇郡南小国町赤馬場1670番地2
Tel/Fax.0967-42-1000(平日 9:00〜17:00、祝祭日休み)
E-mail:tofu@oguninoyume.jp
http://oguninoyume.jp

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